2014年4月20日日曜日

ROEについて考えてみる

1月に計画を立て、ようやく昨日(4/19)IndexSimulatorのバージョンアップを完了し、アップロードした。1月のバージョンアップの計画は、以下の4点であった。

  1. ユーザー負担の軽減 
  2. データとソフトの分離 
  3. 極値解析の追加 
  4. 出来高Indexの追加 

それらをすをべて実行するとともに、散布図作成、絞り込み・業種別表示機能を追加した。
バージョンアップは落ち着いたので、マニュアルを作成し、ダウンロードファイルに添付した。

4/25には、最新バージョンがダウンロード可能になると思われる。

今回、散布図作成機能を追加したのであるが、市場を一望するまったく新しい視点を得た気分である。

バフェットの銘柄選択術』 メアリー・バフェット デビッド・クラーク著 井出正介・中熊靖和訳 日本経済新聞社
には ROEと内部保留が成長のエンジン とある。
今回は、散布図を用いてROEの重要性について考えてみたい。

ROE

ROE(株主資本利益率)とは企業の収益性を図る指標で、自己資本(株主資本)が企業の利益にどれだけ貢献したかを示す。
ROE(株主資本利益率)=1株あたりの利益(EPS)÷1株あたりの株主資本(BPS)
参考 http://kabukiso.com/apply/useinfo/roe.html

PER - ROE

ROEは株主の投資に対して、生み出した利益の比率   (大きければ投資効率が高い)
PERは一株あたりの利益に対する株価の割合      (小さければ割安)
PER(株価収益率)=株価÷1株あたりの予想純利益

見ていくと、投資効率が高いのに、割安の銘柄が見えてくる。(その逆も見える。)
ROEは、複利で利益を生み出すことにつながるため、成長率に寄与すると考えられる。

PER - ROE

とすれば、ROEが高ければ、成長率も高いはずである。

成長率 - ROE

成長率 は前期の自己資本の2期前の自己資本に対する比率とした。
成長率はROEと高い相関性で比例していることが確認できる。

成長率 - ROE





負債÷当期利益 - ROE

負債÷当期利益 は利益をすべて返済につぎ込んだ場合の返済年数を示す。
負債の大きな企業は、再投資が困難と思われるため、負債は投資効率を下げるはずである。

負債÷当期利益 - ROE

確認すると、高ROEで、負債が大きな銘柄はほとんど存在しない。借金の必要がないのだろうか。利益を再投資することが容易なため、成長力が高いと考えられる。

配当利回り - ROE

配当利回り は、投資金額に対する配当の割合である。
ROEが高いほど、配当利回りも高くしやすいと思われる。
配当利回り - ROE
高ROEで、配当利回りの低い銘柄は皆無ではないが、少ないことがわかる。逆に抵ROEでも高配当の銘柄もある。抵ROEで高配当の企業は、配当利回りを低くできない理由があると思われる。その理由こそが、ジョージ・ソロスの言うバイアスであろう。バイアスが取り除かれた場合を想像してみたらよい。

自己資本比率 - ROE

自己資本比率とは、総資本に占める、自己資本の割合のことである。
したがって、借金の少ない会社は自己資本が高くなる。

自己資本比率 - ROE
自己資本比率・ROEともに高い企業が健全経営の企業と考えられる。



自己資本比率 - ROE(業種絞り込み)
グラフが混み合ってしまうため、建築関連の業種に絞り込んで表示してみた。

理想企業70%これから0~19%
優秀企業40~69%欠損企業0%未満
普通企業20~39%

参照:https://www.kessansho.com/general/study/04_05.html


ROA - ROE

ROAとは、企業の全資産(負債を含む)を使ってどれだけの収益を上げたかを示す。
ROA -ROE
自己資本比率の高い企業は、ROA-ROEグラフの高い勾配に位置することとなる。自己資本比率は100%を超えることはない。自己資本比率が100%の場合は、ROE=ROAとなるはずであり、ROE<ROAとなることは、原理的に無い。よって一定勾配以上の位置にプロットされることはない。
また、ROEが高い企業であっても、自己資本比率が低ければ、実際は自転車操業ということとなる。



PBR - ROE

PBR とは下記式で求められ、株価総額が企業の資産と等しい場合は1となる。
PBR(株価純資産倍率)=株価÷1株あたりの純資産
PBR - ROE


PBR - ROE (業種絞り込み)


ROEが高ければ、PBRが高くなる傾向にあることがわかる。
ROEが高くPBRが低ければ、割安銘柄と考えられる。


仮説

バフェットが言うように、高ROE企業への投資が将来の高収益をもたらすのではないだろうか。これは仮設である。

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散布図のデータは、IndexSimulatorの自動巡回機能で、ヤフーファイナンスHPより取得している。
散布図は26種類の指標を自由に組み合わせて表示することができる。
IndexSimulator 公開ページ▼
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※2015/12/5よりIndexSimulator は改定を重ね、新ソフトウェアStockFinderとして再リリースした。
再リリースの主な項目は以下の通りであるが、コードのほとんどを書き直したため、高速化するとともに、操作性も全く別のものに改善された。
1)チャートワークシート、インターネットデータ取得シートを本体ソフトウエアからの分離による、ファイルの肥大化防止。
2)指標連動性の分析機能追加



概要紹介ページ
http://katsuyama-shin.blogspot.jp/2015/12/stockfinder.html
公開ページ
http://www.vector.co.jp/soft/winnt/business/se511919.html





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