2014年4月29日火曜日

なぜ仕事に打ち込むのか

同じ『仕事力』には稲盛和夫の言葉も収録されている。

以下、抜粋

揺らぐことのない座標軸を手に入れよ


私はどんなときも人を支えるのはその人なりの哲学、生きていくうえでの座標軸であると考えています。一度それについて真剣に考え、創り上げあなたの生き方の中心にきちんと据えておく。自分の身に何が起きても、自信を持って判断できる生き方の基準、つまり哲学を持っていてほしいと思います。
 たとえば仏教では、「六波羅蜜」という六つの修行を説いています。
人を思いやる「布施」、戒律を守る「持戒」、一生懸命努力を続ける「精進」、耐え忍ぶ心の「忍辱」、心静かに自分を見つめる「禅定」、そしてそれらが身について至る「智慧」。
迷い、挫折し、先行きが見えないと思ったとき、今の自分はどうすればいいか。こういう教えが力を貸してくれます。
 なぜ仕事に打ち込むのか。地位を上げ、お金を稼ぐことが本当にあなたの最終的な目標なのでしょうか。仕事に励んでいるすべての人に考えてほしいのは、働くことにはそれ以上の目的があるということです。私は、利他」の心を持ち仕事に打ち込んでいくなら、必ず素晴らしい人生を歩めると信じています。

降りやまぬ雨は、決してない

梅原猛の言葉である。
『仕事力』 朝日新聞社刊 に収録されている。
久々に本棚から手に取った本の中にあった。

仕事でつらいときもある。その時にどうするかが説かれている。

自分のために抜粋する。

苦境にあるときは辱めを忍べ

理想的な会社というりは。労働が楽しいと意識できる会社ですね。日本では、力を合わせてともに働くというだけで楽しみを感じられる昔からの観念がありますから、会社を首になったらその生きる楽しさを根本から奪われてしまう。・・・・だから日本的な労働観に立ったら容易には首は切れない。社長が苦しくても、この苦しみをみんなで分かち合って何とかしようとすれば、社内には共に働く楽しい気持ちがみなぎってくる。・・・そのような気概があれば、こんな時代でも生き残れる。仏教でいう精進です。

「自利利他」という思想。・・・大乗仏教の理想とされています。

現代の日本社会では、不遇に泣く状況はむしろ普通に起こります。
私にもそういうことがたびたびありました。そういうとき、人は自暴自棄になり、自分をますます苦境に落してしまう。苦しいですが、仏教では「忍辱(にんにく)の徳」が説かれます。忍耐とは違う。辱めを忍べということですね。あなたが、自分を見つめ、自分はこの生き方で大丈夫だと信じたら、「忍辱の徳」を積んでいるのだと思ってください。

日本人は働きすぎだと非難されますが、日本人は労働の場に楽しさや徳を見いだせるのです。そして同時に、家族での愛をないがしろにしてはならない。どのような状況になっても、自分の働く場と家族かあれば、人生には光が差します。降りやまぬ雨は本当にないのです。

2014年4月28日月曜日

投資関連の名著に出会った

株式市場は現在進行形』 太田忠著 日本経済新聞社刊
2000年からリーマンショックまでの株式状況を、生き生きと克明に描いている。
個人投資家へのアドバイスも充実していて、必読の名著ではないだろうか。
ライブドア事件、ジェイコム事件、村上ファンド など、専門家の目からわかりやすく解説されている。

以下に自分への記憶を確かにするために、抜粋する。

  • 株価上昇がひと段落するとまた別のターゲットにイナゴの大群は移動する。「ババ抜きゲーム」が展開されるわけであるが、このゲームに勝つためには常に株価下落の直前で降りなければならない。
  • 最初は大勝するが、その後、リスクの取り方を急速に高めて、たった一回の失敗で運用資産を吹っ飛ばすような投資行動を平気で行う。
  • そのようなリスクに鈍感な投資家は、実際に非常事態が起こると、これまでの人生で経験したことのないような心境にたたされ、生きた心地がしない。・・・
  • このような投資家たちをもっとも多く見ることができるのは、相場全体/個別銘柄が急上昇し、それがピークアウトを始めて、すぐさま急落局面に入ったときである。
  • 「売るとき」は最も遅く、「買うとき」も最も遅い投資家、というのは、株式市場では常に損失に見舞われる典型的なタイプであり、決して少数派ではない。熟練した投資家ほど「過去にとらわれず」「心を入れ替えて行動する」ことが重要なことをわきまえている。


投資に当たっては、下記が重要と思う。

  1. 自分の投資期間を決めること。
  2. 損切の価格を設定すること。
  3. ピークに達する前に手仕舞うこと。
  4. 過去にとらわれず、心入れ替えて行動すること。
  5. 「安いときに買い、高いときに売る」ということ。
  6. 健全な銘柄を選ぶことこと。
  7. 身の程を知った投資を行うこと。




1⇒投資期間の中で必ず売るというルールを設けること。
2⇒株は買うことは容易にできるが、売ることが難しいのである。
3⇒ベンジャミン・グレアムも1929年の世界恐慌に伴う株価暴落で大損失を出している。
4⇒自分が買ったときの値段が忘れられず、売りそびれてはならない
  「もしあそこでこうしていたら」等と考えて、投資をすると大失敗する。
5⇒投資家が自信喪失して、何も行動ができないほど市況が落ち込んだ時が、底値である。その時に潤沢な資金を残しておけるようでなければならない。
6⇒IndexSimulatorの散布図機能が役に立つ。下記ページよりダウンロード。
http://www.vector.co.jp/soft/winnt/business/se494636.html
7⇒持っている資産のほとんどをつぎ込んではいけないということ。

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※2015/12/5よりIndexSimulator は改定を重ね、新ソフトウェアStockFinderとして再リリースした。
再リリースの主な項目は以下の通りであるが、コードのほとんどを書き直したため、高速化するとともに、操作性も全く別のものに改善された。
1)チャートワークシート、インターネットデータ取得シートを本体ソフトウエアからの分離による、ファイルの肥大化防止。
2)指標連動性の分析機能追加


概要紹介ページ
http://katsuyama-shin.blogspot.jp/2015/12/stockfinder.html
公開ページ
http://www.vector.co.jp/soft/winnt/business/se511919.html



2014年4月20日日曜日

ROEについて考えてみる

1月に計画を立て、ようやく昨日(4/19)IndexSimulatorのバージョンアップを完了し、アップロードした。1月のバージョンアップの計画は、以下の4点であった。

  1. ユーザー負担の軽減 
  2. データとソフトの分離 
  3. 極値解析の追加 
  4. 出来高Indexの追加 

それらをすをべて実行するとともに、散布図作成、絞り込み・業種別表示機能を追加した。
バージョンアップは落ち着いたので、マニュアルを作成し、ダウンロードファイルに添付した。

4/25には、最新バージョンがダウンロード可能になると思われる。

今回、散布図作成機能を追加したのであるが、市場を一望するまったく新しい視点を得た気分である。

バフェットの銘柄選択術』 メアリー・バフェット デビッド・クラーク著 井出正介・中熊靖和訳 日本経済新聞社
には ROEと内部保留が成長のエンジン とある。
今回は、散布図を用いてROEの重要性について考えてみたい。

ROE

ROE(株主資本利益率)とは企業の収益性を図る指標で、自己資本(株主資本)が企業の利益にどれだけ貢献したかを示す。
ROE(株主資本利益率)=1株あたりの利益(EPS)÷1株あたりの株主資本(BPS)
参考 http://kabukiso.com/apply/useinfo/roe.html

PER - ROE

ROEは株主の投資に対して、生み出した利益の比率   (大きければ投資効率が高い)
PERは一株あたりの利益に対する株価の割合      (小さければ割安)
PER(株価収益率)=株価÷1株あたりの予想純利益

見ていくと、投資効率が高いのに、割安の銘柄が見えてくる。(その逆も見える。)
ROEは、複利で利益を生み出すことにつながるため、成長率に寄与すると考えられる。

PER - ROE

とすれば、ROEが高ければ、成長率も高いはずである。

成長率 - ROE

成長率 は前期の自己資本の2期前の自己資本に対する比率とした。
成長率はROEと高い相関性で比例していることが確認できる。

成長率 - ROE





負債÷当期利益 - ROE

負債÷当期利益 は利益をすべて返済につぎ込んだ場合の返済年数を示す。
負債の大きな企業は、再投資が困難と思われるため、負債は投資効率を下げるはずである。

負債÷当期利益 - ROE

確認すると、高ROEで、負債が大きな銘柄はほとんど存在しない。借金の必要がないのだろうか。利益を再投資することが容易なため、成長力が高いと考えられる。

配当利回り - ROE

配当利回り は、投資金額に対する配当の割合である。
ROEが高いほど、配当利回りも高くしやすいと思われる。
配当利回り - ROE
高ROEで、配当利回りの低い銘柄は皆無ではないが、少ないことがわかる。逆に抵ROEでも高配当の銘柄もある。抵ROEで高配当の企業は、配当利回りを低くできない理由があると思われる。その理由こそが、ジョージ・ソロスの言うバイアスであろう。バイアスが取り除かれた場合を想像してみたらよい。

自己資本比率 - ROE

自己資本比率とは、総資本に占める、自己資本の割合のことである。
したがって、借金の少ない会社は自己資本が高くなる。

自己資本比率 - ROE
自己資本比率・ROEともに高い企業が健全経営の企業と考えられる。



自己資本比率 - ROE(業種絞り込み)
グラフが混み合ってしまうため、建築関連の業種に絞り込んで表示してみた。

理想企業70%これから0~19%
優秀企業40~69%欠損企業0%未満
普通企業20~39%

参照:https://www.kessansho.com/general/study/04_05.html


ROA - ROE

ROAとは、企業の全資産(負債を含む)を使ってどれだけの収益を上げたかを示す。
ROA -ROE
自己資本比率の高い企業は、ROA-ROEグラフの高い勾配に位置することとなる。自己資本比率は100%を超えることはない。自己資本比率が100%の場合は、ROE=ROAとなるはずであり、ROE<ROAとなることは、原理的に無い。よって一定勾配以上の位置にプロットされることはない。
また、ROEが高い企業であっても、自己資本比率が低ければ、実際は自転車操業ということとなる。



PBR - ROE

PBR とは下記式で求められ、株価総額が企業の資産と等しい場合は1となる。
PBR(株価純資産倍率)=株価÷1株あたりの純資産
PBR - ROE


PBR - ROE (業種絞り込み)


ROEが高ければ、PBRが高くなる傾向にあることがわかる。
ROEが高くPBRが低ければ、割安銘柄と考えられる。


仮説

バフェットが言うように、高ROE企業への投資が将来の高収益をもたらすのではないだろうか。これは仮設である。

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散布図のデータは、IndexSimulatorの自動巡回機能で、ヤフーファイナンスHPより取得している。
散布図は26種類の指標を自由に組み合わせて表示することができる。
IndexSimulator 公開ページ▼
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※2015/12/5よりIndexSimulator は改定を重ね、新ソフトウェアStockFinderとして再リリースした。
再リリースの主な項目は以下の通りであるが、コードのほとんどを書き直したため、高速化するとともに、操作性も全く別のものに改善された。
1)チャートワークシート、インターネットデータ取得シートを本体ソフトウエアからの分離による、ファイルの肥大化防止。
2)指標連動性の分析機能追加



概要紹介ページ
http://katsuyama-shin.blogspot.jp/2015/12/stockfinder.html
公開ページ
http://www.vector.co.jp/soft/winnt/business/se511919.html